長女れもんと私は。一つの約束をしていた。それは、5歳の誕生日に、ディズニーランドに行くこと。チケットは友人の結婚式のビンゴで当て、航空券はこつこつ貯めたマイルがあった。しかし、休みがとりにくかったため、私は近場で済ませようともくろんでいた。
そんなパパを知ってか知らでか、れもんは誕生日が近づくと、ディズニーランドの本を買ってきたり、ミニーちゃんの服を着て猛アピールを始めた。ごまかしはきかなかった。
日程的に日帰りが限界だった。朝一の飛行機で行って、最終便で帰ってくる。強行スケジュールだが、れもんはウキウキだった。
れもんとの二人旅は初めてだ。せいぜい近所のラーメン屋に二人で行ったことがあるくらいだ。道中何をしゃべったらいいものかと思っていたが、会話は弾んだ。5歳ともなると女の子は結構しっかりしているものだ。
ディズニーランドで最初に並んだのは、スプラッシュマウンテンだ。れもんは以外と絶叫系が好きだ。スプラッシュマウンテンでずぶ濡れになったかと思うと、今度はビッグサンダーマウンテンに並ぶ。
自分はというと、子どもの頃は絶叫系が得意だったが、大人になってからはどうも苦手だ。それでも愛盗めとのデートは楽しかった。もう少し大きくなって、彼氏と來るのかと思うと、嫌な気持ちになった。いつまでもれもんの一番はパパがいい。
夕方になると、れもんのテンションがおかしくなった。お昼寝なしで遊んでいたため眠くなったのだろう。抱っこをしてやるとそのまま寝てしまった。
そこからは地獄だった。れもんを抱っこしたまま、お土産の山を抱えて帰るはめになった。腕が根元からそのまま落ちてしまうと思うほど、れもんと荷物は重かった。しかし、れもんを起こす気にはなれなかった。にやけた寝顔のれもんは、きっとすてきな夢をみていただろうから。パパとのデート、ディズニーランドで過ごした楽しい夢のひとときを。
2013年12月18日 日本海新聞掲載